スリムな方も洒脱でした。BERNARD ZINS(ベルナールザンス)のBZV3をレビュー! – トラッドマンに憧れて

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スリムな方も洒脱でした。BERNARD ZINS(ベルナールザンス)のBZV3をレビュー! – トラッドマンに憧れて

いやはや、年内にもう一本ザンスのパンツを買うとは思っていませんでしたよ。しかも「BAC J」以外を。
 
まずその経緯を簡単にお話すると、勤める会社の規定が変わりジャケパンで通勤する機会が増え、最も使いやすいグレーのパンツが活躍するのですが、秋冬用は暗めのチャコールに近い色味しか持っていなかったので、ライト~ミディアムグレーのパンツを買い足そうと思ったわけです。ビジネス使いがメインなので、シルエットはトレンドライクなワイドシルエットより、適度にスリムでスマートなものが無難でしょう。
 
そうとなれば、よくお世話になっているビームス福岡店へ。ここなら一通り揃っているはずです。
 
店内の一角にあるドレスパンツコーナーには様々なブランドが並んでいますが、スマートなパンツということであれば、やはり第一候補には信頼と実績のインコテックスが挙がります。まず最初に以前から愛用している定番「35型」の1プリーツモデルにあたる「31型」を手に取ったのですが、これがびっくりするぐらい細い。どうやら「31/35型」は数年前にマイナーチェンジが施され、より細身なシルエットに変更されているみたいです。裾幅約17cm。これはちょっと気分じゃない。
 
次に意外と未経験なPT TORINOのスリムモデルを試着してみるも大体同じような感じで、ちょっと細すぎる。かといって他は見る限り裾幅20cm以上ありそうな太めなパンツばかりで、まさに今はこっちがメインストリームということなんでしょうか。
 
私がイメージしていた裾幅18~19cmぐらいの適度に細いパンツが見つからず、「ここじゃないか」と半ば諦めかけた時にスタッフの方に勧められたのがベルナールザンスの「BZV3」というモデル。正直私の中では「ザンス=ワイドパンツ」のイメージしかなかったので、「ザンスは違うんだよなぁ」なんて思いつつ試着してみると、まぁなんともこれが良い具合。シルエットはもちろん細部にわたって洗練されています。
 
という感じで大穴だったベルナールザンスの「BZV3」を購入するに至ったのです。すっかり前置きが長くなってしまったので、そろそろ本編に移りましょう。
 
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ベルナールザンスについて
ベルナールザンスのBZV3をレビュー
概要
ディテール
サイズ感とシルエット

コーディネート
まとめ

 
ベルナールザンスについて

BERNARD ZINS(ベルナールザンス)に関してはつい1ヶ月前に「BAC J」のレビュー記事で紹介したばかりなので、簡単に触れておきます。
 
1967年にフランス北部の街 ランスにて創業したパンツ専業ブランド。かつてはOEMを事業の中心に据えており、有名どころだとエルメスやルイ・ヴィトン、イヴ・サンローランのパンツ生産を担っていたそうです。
 
現在では自社ブランドに専念しており、高い技術力と経験に裏打ちされた穿き心地の良さと美しいシルエットが評判を集め、世界各地の服好きから支持を得るようになりました。
 
ベルナールザンスのBZV3をレビュー
概要

冒頭で述べた通り、日本におけるベルナールザンスは定番の「BAC J」を始めたしたやや太めのモデルが多く揃い、私のように「ザンス=ワイドパンツ」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
 
そんなベルナールザンスの中でスリムモデルに位置するのが本品「BVZ3」。正確にいうとオリジナルの「BVZ3」はノープリーツでベルトルーフ付きとなっているので、2プリーツ・サイドアジャスター仕様のこちらは「BVZ3 2PF」という品番になるそうです。ただ、現在市場で見かけるのはほぼこれですね。
 
生地には薄っすら起毛して光沢感のあるサキソニーウールを採用。より季節感のあるフランネルも魅力的ですが、結局は秋口から長く使えるサキソニーぐらいが私にはちょうど良い。
 

適度に細身なパンツですが2プリーツのため腰回りにゆとりがあり、さらにポリウレタンがわずかに混紡されたストレッチ素材となっているので、穿き心地は思いの外快適。以前であれば化繊混の時点でNGでしたが、こういうスリムパンツなら明確にメリットがあるので、案外悪くないなと思った次第です。
 

グレーの色合いが分かりやすいように手持ちのチャコールのパンツ(左手前)と並べてみました。こうして見比べると結構違いますね。秋冬なのでチャコールも悪くはないのですが、合わせるジャケットによってはトーンに差が付きすぎてしまうので、これぐらいのミディアムグレーが一番使いやすい。やはり基本のグレーパンツは季節別(春夏/秋冬)にトーン違いで揃えるべきですね。
 
ディテール

ウール98% ポリウレタン2%で構成されたサキソニー生地。手で引っ張ってグイグイ伸びる程ではありませんが、日常動作の中でしっかりと恩恵を感じられるだけの機能性は持っています。起毛は控えめで、メランジ感のある風合いが特徴的です。
 

「BAC J」同様にプリーツはインプリーツとなっています。一般的にイタリアはアウトプリーツが主流といわれており、インプリーツがフランス的なのかはさておき、ザンス的なディテールであることには違いないと思います。ベルトレスタイプですが、持ち出しの長さは普通です。
 

サイドアジャスターは調整幅が長めで、最大6cm程ウエストを絞ることができるみたいです。
 

前開きはジップフライ。そして持ち出しもフックタイプを採用しており、ここら辺は徹底的に実用性重視となっています。
 

内側を見ると複数のボタンがウエストの内側を沿うように取り付けられていますが、これはサスペンダー(ブレイシーズ)のボタンだそうです。私は使う予定はありませんが、既製品だと結構珍しいですね。どこかフランス国旗っぽいマーベルト(シャツ留め)も洒落てます。
 

ダブル幅はいつも通り4.5cmとなっています。
 
サイズ感とシルエット

身長173cm 体重65kg 標準体型の私が選んだのはサイズ40。フランスサイズなので少し分かりづらいかもしれませんが、一般的な【M】【46】【30 or 31】あたりをイメージしていただいたら宜しいかと思います。ちなみに「BAC J」も同じくサイズ40を穿いていますが、それと比べるとややウエストが緩めで、サイドアジャスターを限界近くまで絞ってちょうどいいぐらいです。
 
腰回りにゆとりを持たせつつ、テーパードの効いたすっきりとしたシルエットで、裾幅は約18.5cmとまさに私がイメージする「適度にスリムでスマートなパンツ」に合致します。こういうのを探してました。一見すると凡庸で「BAC J」のような分かりやすさはありませんが、優雅で美しいアウトラインはザンスならではといった感じ。やっぱり洒脱です。
 

個人的には正面より、横から見たシルエットが特に好き。太腿あたりから自然に流れるラインがきれいですね。
 

ヒップのホールド感もちょうどいい塩梅かと思います。
 
コーディネート

ジャケット:Brilla per il gusto(ブリッラ ペル イル グスト)
シャツ:メーカーズシャツ鎌倉
パンツ:BERNARD ZINS(ベルナールザンス)
シューズ:CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)
 
ネイビージャケットと合わせオーソドックスな着こなし。ただ、この場合はパンツのトーンがより暗めでも問題はないでしょう。
 

ジャケット:LARDINI(ラルディーニ)
シャツ:メーカーズシャツ鎌倉
パンツ:BERNARD ZINS(ベルナールザンス)
シューズ:Berwick(バーウィック)
 
一方でこのようなベージュ~ブラウン系のジャケットにはチャコール系はあまり馴染まないので、これぐらい優しいグレーが良いでしょう。
 

ブルゾン:GRENFELL(グレンフェル)
ニット:EDIFICE(エディフィス)
パンツ:BERNARD ZINS(ベルナールザンス)
シューズ:CROCKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)
 
ジャケットスタイルをメインに考えていたのですが、こういう感じのショートブルゾンとも好相性。なんならジャケットよりもしっくりきてます。思っていた以上に汎用性が高そうです。
 
まとめ
気が付けばグレーのパンツがどんどん増えていて、興味ない人からしたらきっと理解されないのでしょうが、その微妙な違いが装いの完成度を左右するのです。ある意味グレーは万能ですが、全て同じで良いってわけじゃありませんからね。
 
そしてこの「BZV3」はなかなかの名作ではないでしょうか。依然として「ザンス=ワイドパンツ」の図式は崩れることはないでしょうが、徐々にスリムシルエットへの回帰という声も聞こえてきますので、近い将来このモデルが脚光を浴びる日がやってくるかもしれませんね。
 
今回は以上です。

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