悪夢 – 大和彩_Aya Yamato

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悪夢 – 大和彩_Aya Yamato

よく見る夢がある。
 
私は近親者二人の後をついて目的地に向かって歩いている。しかし二人の姿はすぐに見えなくなるから泣きたくなる。
 
もう少し歩けばいるのかな、あの角を曲がればいるのかも、と必死に希望をつなぎながら歩くけど彼らはいない。
 
夢のパターンではいつも閑散としたショッピングモールを彷徨う。囚人のようなチェーンと重しが足首に取りつけられているみたいに歩きにくい。
 
都会の高いビルに囲まれた道路もスピーディーに渡れない。車にひかれないよう震えながら歩く。
 
田舎道も歩く。いずれにしても彼らは見えないし目的地からはどんどん遠ざかるばかり。
 
やがて近未来の空港のような見たことないほど大きく荘厳な建物の中にいる。その頃にはもう近親者を探すのはやめた。
 
時速60kmくらいの速さで動く歩道に乗るから今までと違って快適だ。
 
搭乗口にたどり着く。やっと飛行機に乗れる……とほっとした瞬間私を置き去りにした近親者が怒鳴りながら私の行く手を阻む。
 
「裏切り者、お前のせいで家族は滅茶苦茶、お前は普通じゃない」
聞き飽きた暴言に加え暴力も受ける。
 
私は必死に闘う。
「ふざけんなよてめぇらが蒔いた種だろうが!!」
回し蹴りをお見舞いすると足に激痛が走った。
 
白いスネに食い込んだ無印良品の棚が暗い部屋に浮かび上がる。
 
目を開ければそこは私の寝室なのだが数秒間はどこにいるかわからず怯える。寝ながら無理して怒鳴ったせいで喉がガラガラに枯れている。
 
愚かだ。
憐れだ。
愚かだし憐れだ。
ハハッと笑いが漏れる。
 
私のよく見る悪夢はこんなカンジ。These are the few of my favorite nightmares.

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