【薬剤師監修】腸活で痩せ体質を作ろう!案外知らない「腸活の基本」
なんとなく聞いたことはあるけれど、定義がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
実は、腸活は痩せやすいからだ作りに適しており、美肌にも効果があるといわれています。
今回は、腸活に着目し、基礎知識やメリット、そして簡単に行える実践方法まで解説します。
「腸活」とは
食事で腸内環境を整える方法としては、善玉菌を直接摂取する「プロバイオティクス」、そして善玉菌の餌となるものを摂取する「プレバイオティクス」が重要です。
この両方を摂取することで、相互作用がうまれ、効率よく腸活を行なえます。
<プロバイオティクスの一例>
- ヨーグルト
- 納豆
- 味噌
<プレバイオティクスの一例>
- 海藻
- きのこ
- ごぼう
オリゴ糖
- キャベツ
- たまねぎ
続いては、腸活で得られるメリットについて解説します。
「腸活」の持つ効果
それぞれの効果について見ていきましょう。
ダイエット促進
さらに、便秘を解消することによっておなかの具合もよくなり、下腹のぽっこりとした膨らみの解消も期待できます。
基礎代謝力アップ
基礎代謝とは、生命活動を維持するために必要なエネルギーです。
生きているだけで成人男性は1,500キロカロリー、女性は1,200キロカロリーを消費するといわれています。
腸内細菌が形成する腸内フローラのバランスを整えることで、基礎代謝力がアップし、太りにくいからだ作りを行えます。
美肌
腸内細菌には、大きく分けて善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があります。
健康的な腸内には善玉菌が多いのですが、さまざまな理由で腸内細菌のバランスが崩れていると、便秘の原因になります。
便秘は肌の大敵です。
有害物質が腸内に蓄積され、腸壁から吸収されると、血液中の毒素が増えます。
血流も滞りがちになり、新陳代謝が低下してニキビ、吹き出物、乾燥などの原因になるのです。
腸内環境を改善することにより、美肌をめざせます。
腸活に大切な習慣
毎日1.2リットルの水を飲む
水分量が不足すると、便秘の原因になり、腸内環境も悪化してしまいます。
1日に必要な水分量は、2.5リットル程度といわれています。
食事から摂る水分が1リットル、体内で作られる水分が0.3リットルなので、飲み水は1.2リットルくらい必要です。
夏場だけでなく、空気が乾燥する冬も水分が不足しがちです。
普段水を飲む習慣があまりない方は、意識的に水を摂取しましょう。
歩くことで腸を活発に
蠕動運動とは食べたものを腸から肛門に送るはたらきのことで、便秘を防ぐためにとても大事です。
運動には有酸素運動と無酸素運動がありますが、腸活にはウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。
歩く習慣がない方は、いきなり長距離を歩こうとせずに、15分くらいの軽いウォーキングから徐々に習慣づけて、無理のない程度でウォーキングを行いましょう。
自律神経を整える
自律神経を整えることで、腸活をスムーズに行なえるのです。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、この切り替えがうまくいかなくなると、全身にさまざまな不調が生じます。
自律神経を整えるには、生活リズムがとても大事です。
起床とともに太陽の光を浴び、睡眠ホルモンの原料となる「セロトニン」を分泌させましょう。
そして夜は早めに就寝するという生活習慣を続けるだけでも、自律神経の乱れを効果的に改善できます。
腸内環境改善には漢方薬もおすすめ
漢方薬は、植物や鉱物といった自然由来の生薬をもとに作られます。
化学物質だけの西洋薬とは根本的に異なり、副作用リスクも西洋薬に比べて低いといわれているのです。
漢方薬で腸内環境の改善をめざすには、「血流をよくし、胃腸機能を高める」「乱れた自律神経を整え、ストレスを和らげる」といったはたらきを持つ漢方薬を中心に処方します。
腸内環境の改善に適した漢方薬をご紹介します。
<腸内環境改善におすすめの漢方薬>
潤腸湯(じゅんちょうとう)
とくに皮膚が乾燥した方の便秘におすすめです。
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
みぞおちがつかえ、胃がムカムカする場合にも適しています。
同じ不調でも、体質によって適した漢方薬が異なる場合もあります。
漢方のプロである医師や薬剤師などに相談して、適切な漢方薬を選んでもらいましょう。
腸活で元気いっぱいの生活を
また、腸活にはダイエット効果や美肌など、メリットもたくさんあります。
腸活を意識し、規則正しい生活を送って、元気なからだ作りをめざしましょう!
<この記事を書いた人>
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。
現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。