【刻印の世界No.16】浮き出る刻印に潜む罠とアハ体験 – お金をかけずに撮影するジュエリー写真

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【刻印の世界No.16】浮き出る刻印に潜む罠とアハ体験 – お金をかけずに撮影するジュエリー写真

 
トリックアートや騙し絵はお好きですか?
私は好きです。
 
ウサギに見えたりアヒルに見えたり。
若い女性に見えたり老婆に見えたり。
マウリッツ・エッシャーのだまし絵も好きです。
つい、見続けてしまうんですよね。
 
まあ。それはいいとして。
…………刻印の話なのですけれど。
 
上の画像、あなたはどのように見えましたか?
一目で「22K」と読めましたか?
(画像は見えやすいように多少色調を加工しています)
 
この刻印、文字部分は彫り下げずに浮き出る形になっていますよね。
浮き出る形の刻印自体は、珍しくはないです。
 
ただ、浮き出るタイプの刻印は、打刻の仕方によってはとても読みづらい!
この刻印が正に、その「とても読みづらい刻印」です。
 

赤枠の方に先に注目してしまうと、謎の記号にしか見えません。
ト……ト……E…3? 
ト…+…E3?
みたいな。
 
しかも、刻印というのは目立たない位置に小さく打刻されているものです。
小さいので、一度罠(?)にハマると、中々正解の刻印が見えてきません。
 
でもね。
だからこそ、22Kとはっきり見えた時には最高にスッキリ出来る。
 
刻印アハ体験。
仕事中に極上のスッキリを味わえる職業、それが宝石商(違
 
 
追記)
これも、少し読みにくい刻印です。
 

「ん?あれ?4K?」
そんな高画質映像みたいな刻印が、初めに見えた人。
 
いえいえ。
ちゃんと4の前に1と描かれているので、「14K」ですよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
と、思うでしょう?
 
 
これ、実は銅製の土台に金メッキを施した品でした。
刻印解読に気を取られ、「アトK」の罠にしてやられたパターンです。
 
 
【アトKとは】
 
数字の後ろにKを付けている刻印は、通称「アトK」(後ろにKが付くから)と呼ばれており、主に海外製ジュエリーなどで見られます。
そして、刻印通りの含有率でないことが多い(もしくは金製品ですらない)刻印としても知られています。
 
アトKが打刻された製品の全てが、含有率が低い/偽物であるとは言い切れません。
ただ、アトKが打刻されている段階で、内容を怪しむ程度のことはするべきです。
 
読みにくい刻印にばかり気を取られて、アトKのことをすっかり失念する。
そういったことがないように、今日も 刻印を愛でたい お仕事に励みたいと思います。

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