スーツとの違いは?FIVE ONE(ファイブワン)のオーダージャケットをレビュー【完成編】 – トラッドマンに憧れて

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スーツとの違いは?FIVE ONE(ファイブワン)のオーダージャケットをレビュー【完成編】 – トラッドマンに憧れて

ブログで紹介するのが遅れてしまいましたが、2月にファイブワンでオーダーしていたジャケットを受け取ってきました。
 
生地の色味や風合いはもとより、こだわって決めた細かい仕様までほぼイメージ通りの一着に仕上がりました。ではさっそくご覧ください。
                       
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ファイブワンのオーダージャケットをレビュー
概要
ディテール
サイズ感とシルエット
コーディネート

まとめ

 
ファイブワンのオーダージャケットをレビュー
概要

昨年オーダーしたスーツでは最もオーソドックスなハウスモデル「YMJ」を採用していましたが、今回は嗜好を変えて福岡店で扱っているもう1つのハウスモデル「MBLS」を選びました。ラペル幅が広くゴージラインも低めに設定されたクラシック趣味がより強く打ち出されたデザインとなっています。
 
生地はグレージュにブラウンのペーンがかかった三者混。コンセプトとして極端に春っぽくなりすぎずに秋口でも普通に着られるジャケットを作りたかったので、この絶妙な色合いはイメージと限りなく近い仕上がりです。画面越しで見ると少し重い印象を受けるかもしれませんが、少量のリネンも混紡されているので春夏素材特有のシャリ感もわずかに感じられ、合わせ方次第では軽やかに装うことも十分に可能でしょう。  
 

首に吸い付くような襟や自然と動かしやすい肩周りは前回仕立てたスーツ同様で、流石はファイブワンファクトリー謹製。ただ、今回はカジュアルなジャケットになるので、仕立ての仕様を若干変更しています。
具体的には肩パットと胸増し芯(胸元にボリュームを出すための副素材)を省き、通常だと裾まで毛芯(前身頃に張りを出すための副素材)が詰まった総毛芯であるところ下半分に簡素な接着芯を用いる半毛芯へと変更しています。オーダースーツの場合兎にも角にも「総毛芯は高級、半毛芯は安物」と語られることが多いようですが、ジャケットは別物です。標準仕様からあえてグレードを下げるような形にはなりますが、目指す方向性を考えればこういう判断になりました。
 
とはいえスーツと比べると副素材を随分と簡略化してしまったので、果たして着心地はどうなのかという懸念も多少はあったのですがそれも杞憂でした。軽やかでありながら立体的なジャケットに仕上がっています。当たり前の話ですが、構造が簡素になる程に構築的なシルエットを作り出すことは難しいわけで、改めてファイブワンのテーラーとしての技術力の高さを実感した次第です。
 
ディテール

ウール82% シルク11% リネン7%で構成されるたジャケット向けに用意されたカノニコの生地。一般的な春夏の三者混と比べてウール比率が高めなので、想定している通り秋口に着用しても違和感はなさそうですね。質感としては毛羽立ちは少なく、ふんわりとした感じ。春夏定番のトロピカルやフレスコのようなザラッとした手触りとはまた違います。一方で所々で見られるリネンのネップからはほんのりと今の季節を感じ取ることができますよ。 
 

ラペル幅は約9.5cmと現代的な基準で見るとやや広めかもしれませんが、個人的にはこれぐらいの幅が一番しっくりきますね。色柄の影響もあってこの画像ではほぼ分かりませんが、ラペル縁のステッチも内側に入れてスポーティな感じが出るようにしています。
 

少し角度を変えてもう1枚ラペル周りの画像を。ふわっと柔らかくロールしたラペルの雰囲気が伝わるでしょうか。やはり良いジャケットというのはこの部分で分かりやすく違いが生まれます。

襟裏の髭とフラワーループはファイブワンの標準仕様。実用面ではほぼ意味はないものの、見えないところだって手を抜かない矜持を感じさせるポイントですね。
 

肩周りはこんな感じ。特筆する程ではありませんがイセ込みの量はしっかりとあります。カジュアルジャケットらしく柔らかい雰囲気にしたかったので、袖付けはマニカカミーチャでお願いしました。ギャザーの入り方がこれ見よがしじゃないのが良いんです。
 

高級なジャケットやスーツに取り付けるボタンは本水牛と相場が決まっているような風潮で、私もオーダーする際には深く考えずに本水牛を指定する節があるのですが、今回はナットボタンを選びました。植物由来のナットが持つ優しい風合いがこの生地にはよく合っているかと思います。色味はウィンドウペーンから拾ってダークブラウンにしているので馴染みも良いですね。
 

袖ボタンはいつも通り4つ重ねの本切羽。

カジュアルジャケットなのでサイドポケットはやはりパッチポケットとなります。また、フロントの裾は丸みを帯びてやや広めに開いたラウンドカットを採用。一般的なのスーツのようなレギュラーカットと比べてそこまで見え方に差があるわけではありませんが、なんとなく軽やかな気分にはなります。気持ちの問題です。
 

一応春夏向けではあるので裏地は背抜きにしています。色味は無難にブラウン系です。
 
サイズ感とシルエット

今回採用したハウスモデルの「MBLS」はややゆったりとしたシルエットにはなるのですが、前回のスーツよりゲージのサイズを1つ下げているので、見た目や着用感の違いはそこまで感じません。
 
記憶が曖昧ですが調整をかけた箇所もほとんどなかった気がします。確かウエストを数cm絞ったぐらいじゃないでしょうか。それだけこのモデルが私の身体に合っていたということですかね。
 

実際のところ上画像のようにボタンを留めて着る機会はそう多くはないので、前を開けた状態がどう見えるかは私にとって重要なのですが、少しだけウエストを絞った効果かシルエットが崩れずきれいに出ているかと思います。

肩パッドと胸増し芯を抜いますが、肩から胸にかけてのラインは立体的に美しく仕上がっています。見事なアイロンワークによる首元のフィット感も健在です。
 

最後に後ろから。裏地がなしの割には不自然なしわが入らずになかなか見栄えの良い後ろ姿に仕上がりました。着丈は前回のスーツから0.5cmだけ短くしていますが、それでもお尻はしっかりと隠れてクラシカルな雰囲気は崩れていないはずです。
 
コーディネート

ジャケット:FIVE ONE(ファイブワン)
シャツ:Drake’s(ドレイクス)
ネクタイ:メーカーズシャツ鎌倉
パンツ:五十嵐トラウザーズ
シューズ:CROKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)
 
普段はノータイが多いのですが、せっかくなのでタイドアップのビジネススタイルを。黄みがかったオフホワイトのシャツとブラウンのネクタイはジャケットの色味と馴染みが良いですね。チェックジャケットではあるものの、パターンがシンプルなので他の柄物(このコーデだとネクタイ)と合わせるのもそこまで難しくなさそう。
 

ジャケット:FIVE ONE(ファイブワン)
ポロシャツ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)
パンツ:YCHAI(イカイ)
シューズ:CROKETT&JONES(クロケット&ジョーンズ)
 
こちらはポロシャツとホワイトデニムを合わせたカジュアルスタイル。コンセプトとしてそこまで春らしくなりすぎない生地を選んでいますが、白パンを持ってくれば自ずとそれっぽくなるものですね。

まとめ
スーツではなくジャケット単品でのオーダーは初めてのことでしたが、ことイメージ通りに完成したという点では過去イチかもしれません。本当に良いジャケットができました。
 
時季的に今回は載せていませんが、秋口に合わせた装いも簡単にイメージできます。生地の目付が少し重めなので夏に着用できるとは思っていませんが、春と秋に長く活躍する一着となることは間違いなさそうです。とにかくグレージュは私のワードローブの中で一番汎用性が高い色味なので、このジャケットに合いそうなアイテムはいくらでも持ってますからね。
 
ファイブワンでオーダーするのは昨年のスーツとコートに続く3着目ですが、いずれも納得の仕上がりとなっており、私の中で確固たる信頼を築いています。計画中の秋冬用ジャケットでもおそらくお世話になりそうです。
今回は以上です。
 
 

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