別れる決心/山ではじまり、海で終わる – ぱぷでみー賞

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別れる決心/山ではじまり、海で終わる – ぱぷでみー賞

いつもお読み頂きありがとうございます。今日はブログでは初の韓国映画『別れる決心』です。中々玄人志向な映画だった印象です。むつかし… 
 

まずは概要
あらすじ
ネタバレ無し感想
ネタバレ有り感想

 

まずは概要
 
原題:헤어질 결심上映時間: 139分監督:パク・チャヌク脚本:チョン・ソギョン/パク・チャヌク出演者:タン・ウェイ/パク・ヘイル/イ・ジョンヒョン公開:2022年製作国:韓国
 

別れる決心

パク・ヘイル

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タイトルの別れる決心って誰のことなんだろ…
原題でも放題と同じ意味みたいです。
 
あらすじ
バリキャリ嫁さんと週末婚をする刑事ヘジュンさんが、登山中に転落死した男性を事件か事故か追ううちに、男性の中国人妻ソンソレさん。なんとなく彼女が怪しいから調査したるわ。って追っかけまわして日常を覗き見ていたら好きになっちまったかもしれねぇ。
 
でも僕らを結び付けているのは事件だから、解決したらすべてを忘れてきっぱり嫁さんの元に帰ってそれっきり平和な田舎に引っ込んで覇気なく生きていこうと思う。
 
それなのに…!? って感じの話です。
 
文字だけで説明すると中々エロドラマ感ありますが全くです。結構しっぽりしたエロさはありますが、直接的な描写はほぼ無いです。
 
家族でも、カップルでみるのも違う。一人で観るのが断然オススメ。
 
ネタバレ無し感想
容疑者と刑事の恋。しかも両方既婚となればドロドロした、深夜か昼ドラ的なメロドラマを想像しますが全くそんな様子は無く。淡々としていて静かでお互い感情さらけ出さない、なかなか玄人向けな印象の映画でした。
 
どこかで解説されていましたが、確かにヨーロッパ的な雰囲気のある映画。
 
パク・チャヌク監督は『オールド・ボーイ』の監督さんだとかで中々期待が膨らみましたが、かなり雰囲気の違う映画です。いろんなタイプの映画が撮れる監督さんなのだと感心しました。
 
あと、この映画が流行る韓国が凄い。映画を観る力?土台?が整っている人が多いから、いい映画が作られるサイクルがあるのですね。
 

 
ネタバレ有り感想
最初に書いたようになかなか掴みどころがないというか、ストーリーはとても映画的で盛り上がりそうなのに、悪い意味ではなくスンとしていてドンドン進んでいく。
 
ソンソレさんは中国の人なので「韓国語は得意ではありません」と丁寧に我々に伝えてくれます。どうやらちょっとズレた表現を使ったり、スマホの翻訳アプリを介してコミュニケーションを図っているのですが、だから我々の理解は2テンポ遅れるんです。韓国語が分かれば翻訳アプリの音声で1テンポ、翻訳された音声のさらに字幕を追うので我々は2テンポくらい遅れる印象。ストーリーの進み方もそんな風に感じました。
 
お互い同一の言語を同レベルで話せていれば、こんなにスンとしないでもっと盛り上がったのかもしれないし。ヘジュンさんとソレさんの間では関係がドンドン進んでいくのに、我々はちょっと置いてけぼりにされてから理解するって感じ。
 
なんかネガティブな事のように書いてしまったのですが、それが凄く良いんです。言葉はたどたどしいのに、二人の息は初めからピッタリで、最初の事情聴取でお寿司を食べて片付けるシーンの流れるような共同作業は不思議な感覚。
 
セリフも本当に印象的なものが多かったです。「私は崩壊してしまいました」「あなたの未解決事件になりたくて」
 
ソレさんが「(私に)愛してると言ってくれた」という言葉がヘジュンさんにはすぐ分からない。ここは男女の差なのか??
 
ずっと言葉の話をしてしまいましたが、ストーリーも観たことありそうで、観たことない話で面白いです。皆は事故だというけどソレさんが犯人かもしれないから張り込む↓アリバイがあるし、事故でした↓親しくなる「やっぱり犯人やったやないか!!」でも隠滅して庇う↓田舎引っ込む↓ソレさんもついてくる↓またソレさんの旦那死ぬ
 
ソンソレさんのファムファタールっぷりが凄いです。ニュースで聞いたことあるやつです笑
 
ストーリーや言葉の表現ばかり一生懸命追ってしまって全然気にしなかったのですが映像も大層面白いつくりのようです。独特で見にくいと言っている方もいましたが、楽しむ要素が沢山ある映画だなーと思いました。
 
あとソレさんが海で、ヘジュンさんが山って言うのを理解してみると格段に理解しやすくなります。山を崩しながら、海に還っていくソレさん…
 
 

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