特別な日は必要か。 – 化粧品研究者こまっきーの語り部屋

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祝日にはならない◯◯デーであったり、◯◯の日というものがあります。
最近はなんでもない日でも、毎日が記念日と言って、様々な記念日が増えているようですが、そんなに公式な記念日はたくさん必要でしょうか?

日本人には日々を楽しむ、工夫して楽しむ力があると思います。
例えば食事では、街を歩けば和洋中にアジアンフードなど沢山のジャンルの飲食店があります。
日本だから和食が特に多いわけではなく、食堂街でもどこでも、バランスよく様々なジャンルの料理を選ぶことができます。
特に都心部でもない僕の家の近くでも、ラーメン屋、和食、中華、イタリアン、インドカレーに洋食とほぼ全てのジャンルが揃っています。

これは海外に行けば珍しいことです。
パリは観光地なので色んなジャンルがあるのはありますが、やはり小麦が主食のお店が多いです。パンやパスタが圧倒的に多く、インドカレーはありましたが米を使ったお店は殆ど見かけませんでした。和食はあってもパスタなどに比べて割高です。日本のようにそれぞれの価格帯で沢山のジャンルが選べるというわけではありません。

台湾は中華料理がメインです。探せばパスタや日本料理はあったのかもしれませんが、そういうのが食べたいと思わないほど街が中華料理の香りで溢れていて、店頭で胡椒餅が売っているとついつい食べたくなります。ただ毎日の朝食がパンである僕は、2日目の朝にはパンが食べたくなり、パン屋を探しました。パン屋はありましたが、うどんとか蕎麦のような日本食は見当たりませんでした。パスタなどのイタリアンも見かけなかったです。昼と夜はずっと中華料理でした。台北を歩き回りましたが、日本のように様々なジャンルのお店があるわけではなく、中華街を広くしたような街でした。

海外では自分達のソウルフードが中心の食生活のようです。
観光地では様々なジャンルの飲食店があっても、バランスよくあるわけではなく、ソウルフードが圧倒的に多いです。
僕たちは「今日何食べようかな?」と考える時、まずは和食か洋食か中華かを考えるのが当たり前のようになっていますが、ここまで日常的に様々なジャンルの料理を食べているのは日本くらいでしょう。

家のデザインも同じことが言えます。
ヨーロッパの街並みが綺麗なのは建物の作りやデザインが共通しているからですが、それは反面、自分の好みには出来ないということです。出来ないという考えにもなっていないのかもしれませんが、ヨーロッパにしても、アメリカにしても、アメリカの郊外の庭付きの家にしても、なんとなくデザインは似たりよったりです。

日本では家から最寄り駅までの道のりですら、様々なデザインの家があります。モダンとか和モダンとかアメリカンハウスや北欧風など、それぞれ拘りの家を作る事ができます。
建売住宅ですら、一軒一軒のデザインはバラバラです。
僕たちは家のデザイン1つ、選ぶことが出来ます。

もちろん、“フランス人は服を10着しか持たない”という著書にも書いてあるように、パリの人々は日常を楽しむ様々な工夫をしていますし楽しんでいます。
ですがそれは国の文化が前提としてあり、ある程度固定された範囲があるために出来た楽しみ方だと思います。

日本は違います。創作料理が流行ったように、ある程度決まったジャンルでも押せばそのジャンルの幅が広がっていきます。ジャンルは合ってないようなもので、日本料理と書いてあっても、お店の料理の写真をみないと判断しにくいです。

日本人は国として特定の宗教がないからか、色んなことを取り入れて日本風に変えて活用していこうとする傾向があります。
それはすごく良いことで、日本の発達はこの思考が働いたのではないかと思います。

ですが今はその良き思考は行き過ぎています。
日常の楽しむ工夫を棚に上げて、特別な何か、特別な出来事、新しいものを探し、次々と現れる新しい欲を満たすことが日々の中心となっています。
なので新しくできた欲が満たされない時に、不満を感じてしまいます。

活力は、欲がなくては出来ません。
欲は活力の源となりますが、行き過ぎると欲に飲まれてしまいます。
欲の達成にしか、目がいかないような日々になってしまいます。

特別な日や特別なイベント、特別な何かはこんなに沢山必要でしょうか。
毎日のご飯ですら、沢山のジャンルが選べるくらい贅沢で楽しめるはずなのに、それが日常的になれば当たり前となって、また違った新しいものを探す、そういうビジネスが広がるこの流れは悪循環以外の何者でもないでしょう。

何事も行き過ぎれば悪です。
日本人の日々を工夫して楽しむ力は、今や行き過ぎているから生活が苦しく、欲が満たされない日々になっているのでしょう。
何事にもアクセルがあれば、同時にブレーキも必要です。

化粧品研究者こまっきー

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