土屋鞄の〈ブラックヌメ〉ブックトート。 – 365日をJ棟で

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土屋鞄の〈ブラックヌメ〉ブックトート。 – 365日をJ棟で

昨秋にスーツを誂えてから、セットで使えるカバンも欲しいなと思いつづけていた。
スーツを着る機会が極端に少ないため、ビジネス用バッグは6年ぐらい前に買ったビジネスレザーファクトリーのシンプルな手提げカバンを使っていた。あまり満足はしていなかったが、使用頻度を考慮すると当時はエイヤッ!と気合いの入った価格帯のブランドからは選べなかったので妥当。
ところがそれなりに値の張るスーツを買うと、なんとなくそれに釣り合うようなバッグも欲しくなるという人間の性が以下略…
はじめは〈大峡製鞄〉に目をつけていたものの、代表モデルのダレスバッグはクラシックを跳び越えて少し堅すぎる印象を受けたし、なにより実物は思っていた以上にデカ厚だった。〈ザ・ロウ〉のマルゴー15が欲しい時期もあったが、ビジネス向きとは言いづらいし、そもそも手が出せる価格(70万円弱)ではない。〈il micio〉のA-1ブルレザートートも云々かんぬん…
 

そんな前段を挟みつつ、土屋鞄の〈ブラックヌメ〉シリーズより、ブックトートを買った。発売直後から気になっていたシリーズとはいえ、いわゆる衝動買いである。妻がmameのドレスを買ったせいだ。
簡素な造りのアイテムを愛する性分としては、やっぱり仕事用であろうがデザインはミニマルであってほしいなと感じていた。
あちこち色んなビジネスバッグを見つつ、予想通りではあるけれどヨッシャ!となるバッグは少ない。特にハンドル(本体との接合部)のデザインに納得感のあるバッグは僅少で、ロゴやジップやポケットも加味すると脳内選考の一次審査も通過しないバッグばかり。毎回この話ばかりして申し訳ないんだけど、やっぱり国産のバッグになると「大和魂」が出過ぎてるブランドが多いのよ。そのディテール全く要らんな〜!ってのが。
 

ブラックヌメ ブックトート
ランドセルメーカーとして始まった土屋鞄。半世紀も革製品を扱ってきた歴史もあり、縫製や造りは美しいと思う。
トート/ブックトート/スクェアバッグ/ショルダーバッグが展開されている〈ブラックヌメ〉シリーズの良いところは、徹底的にディテールが削がれているところ。
たとえば、ハンドルは全て本体の内側に縫い付けられているため、根っこのパーツが表にこない。その分のステッチは表側に横一文字で走るが、これは寧ろワンポイントのデザインとして好み。MM6っぽい。また表面にはロゴが一切なく、デザイン面において「ここは…」と気になる部分がない。持ち手も太くて丸くて、軽い力でも握りやすいデザイン。硬めの芯材が入っているので、手を離してもダランと崩れない。
仕事用で使う場合、ジッパー付きでフタのできるスクェアバッグを第一候補にしていたが、意外とマチが狭く、会社支給のレッツノートを入れたならば容積の70%は埋まってしまいそうな造り。とても可愛くてミニマルな見た目なのに惜しい!ビジュアルは満点だが…
 

どちらの向きで担いでもOK。
ブックトートは名前の通り、本を閉じた際の形を再現した左右非対称の見た目をしている。元の何もない素なビジュアルに、ちょっとしたデザイン上のアクセントが加えられている。
容量は十分で、財布・手帳は当然として、マイボトル・A4サイズの書類など、手持ち鞄に入れたいと思いつくものなら大抵は入る。13インチのノートPCなら横向きでもスッポリ収まる点は魅力的。
左右対称で端正な作りの通常版トートとは最後まで悩んだものの、よく見かけるレザートートの類より一回り小さいフォルムの過不足なき印象が好みで、ブックトートを購入した。通常版トートより少しだけ取っ手が短いので肩掛けはギリギリだが、手持ちにしても地面に擦らずに歩けるサイジングで、この辺のバランスも非常に好印象。
 

小声でしか言えないが、ブラウン系ヌメの経年って苦手だな〜と…
あの生成りカラーで、経年と共に色が深くなってくるイメージのヌメ革。変化を楽しむって意味ではわかりやすくて面白い革だけど、段々と濃淡差が強くなり、(口の悪い表現だけど)汚く見えるというデメリットも感じる。
黒いヌメ、ブラックヌメはどうだろう。元から真っ黒なので、改めて濃淡が付くことはないと思う。クリームを入れつつ、少しずつ輝きを増していくようなイメージかな?ボックスカーフでもブライドルでも、大体の革は使い込むほどにピカッと光るから、このブラックヌメも終着点はビカビカ系かもしれない。
かなり張りのある硬めの生地で、トラや小傷はあるもののキメ細やかで革質が良く、価格以上の満足感がある。カバンに関して言えば私の好物はスムーズレザー。どうしてもシボ感が強い革の順位は下がってしまう。(イルミーチョのA-1トートを選ばなかったのもこのため)
 

内側はピッグスエードで、両サイドとも取っ手の根元に小ポケットがある。底鋲もあくまでも自立を支えるためのもので、床置きでコバは常に地面と接する点に注意。おかげで安定性は高い。
あの〜、常々「何にでも使える物は、何にも使わなくなる」とか言うてるんですけども、このブックトートって普段使いにも完璧や思うんですよね。明らかにオン向けのスクェアバッグを選ばなかったのも、オフにも使いたいなという色気が出てしまったからなんですね。そこは素直に認めます。オホン。
今までオフの日はリュックか斜め掛けのショルダーバッグだったので、こんなレザートートってのは初買いになる。あんまり背負いたくないな、斜め掛けしたくないなって日にトートって選択肢はスンゴくありがたいなって気付いた。スーツは勿論として、夏はTシャツにチノに革靴+ブックトート、そんなんも大アリ。
 

iPhone 15の切り抜き精度は12より随分と良くなった。
ドが付くクラシックなスタイルから見れば、随分とカジュアルで半端なバッグであるには違いない。その手の「ザ」なスタイルには指向しきっていない今、個人的に良い落とし所にあるアイテムかなと。
最近足が疲れるので革靴は滅多に履かなくなってしまったけれど、このトートはいっぱい担いでいきたい。どんな風に変化してゆくのかも、またお伝えできればと思います。最近、あんまり過去購買品の振り返りやってないね。ちゃんとやりたいとは思ってるんだけどね。
いや〜、それにしても衝動買いとしては自分比で結構な出費だったな…でも納得いく買い物体験、大満足です。
 
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