大人ラギッド。Jeanik(ジーニック)のデニムジャケットをレビュー! – トラッドマンに憧れて

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大人ラギッド。Jeanik(ジーニック)のデニムジャケットをレビュー! – トラッドマンに憧れて

今年もカジュアルアウターを1着は手に入れようと決めていました。イメージとしてはブルゾンやシャツアウターあたりだったのですが、実際に購入したのは自分でも全く想定していなかったデニムジャケット。
 
いわゆる「Gジャン」は記憶に残る限りでは人生初。デニムパンツは普通に穿くのですが、ジャケットとなればどうも無骨で野暮ったい雰囲気が苦手で、10代の頃からずっと自分には合わないよなと感じ選択肢にすら入ったことはありませんでした。
 
そんな私が思わず店頭で一目ぼれしたのが、気鋭の国産ブランド Jeanik(ジーニック)のデニムジャケットです。私が持っていた「Gジャン像」を覆す洗礼されたルックスとテーラード仕込みの着心地に見事やられちゃいまいたよ。
 
如何せん人生初で造詣の深い分野ではありませんが、何とかその魅力をお伝えできればと思います。
 
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ジーニックについて
ジーニックのデニムジャケットをレビュー 
概要
ディテール
サイズ感とシルエット
コーディネート

まとめ

 
ジーニックについて
これまで様々なブランドでデニムを手掛けてきたイタリア人と日本人のデザイナー二人組により2021年からスタート。生産拠点は世界有数のデニムの名産地として知られる日本の岡山です。
 
まだまだ誕生して日の浅いブランドですが、染色や縫製にこだわり抜いた日本の繊細なものづくりとイタリアの感性が融合したジーニックのデニムは評判を呼び、ビームスやシップスなどの大手を含む様々なショップで取り扱われるようになっています。 
デビューシーズンにはデニムジャケットしかラインナップされていなかったことからも分かるように、ここの十八番はGジャンです。現在はジーンズも揃えていますが、アウターをコレクションの中心に添えるデニムブランドも珍しいかもしれませんね。
 
ジーニックのデニムジャケットをレビュー 
概要

いわゆるリーバイスの2ndタイプ。ジーニックでは3rdタイプも用意されていますが、個人的には1st~3rdの中でもシンプルすぎず、装飾的にもなりすぎない2ndが一番好みだったので迷わずこちらを手に取りました。
 
基本的にはオリジナルに忠実であるものの、所々にアレンジを加えより無駄をそぎ落として洗練されたデザインとなっています。
 
ジーニックのデニムジャケットの特徴は袖付けにあります。ハンガーに吊るした上画像の状態で自然と袖が前に垂れている様子が分かりるでしょうか。これはテーラードジャケットに見られる手法で、人体の構造上肩は前寄りに付いているため、それに沿い袖も前寄りに縫い付けた方が着心地が良くなるとされています。
 
詳しいことは割愛しますが、ただ袖を前寄りに縫い付けるとだけ言ってしまえば簡単そうに聞こえるものの、そのためには高い技術と手間が必要とされます。それをカジュアルアイテムのデニムジャケットで再現するあたりジーニックのこだわり様を見て取れますね。ワーク由来だからざっくりと簡素にというわけじゃないのです。
 

シルエットに関しては身幅ややゆったりめの着丈長め。偏見ですが、Gジャンはピチピチかダボっとオーバーサイズの両極端のイメージでしたが、大人が品よく着るならこれぐらいのバランスが良いですね。
 
デニムジャケットといえばカジュアル一辺倒な印象もありますが、これはジャケットが代わりにシャツやスラックスと合わせてドレスライクに着たいですね。適切な表現か分かりませんが大人ラギットとでも言いましょうか。
 
ディテール

厚すぎない12.5オンスのデニム生地は夏以外の3シーズンで使えそう。色味はシックな濃紺で、表面の毛羽立ちもほぼなく適度な光沢を纏った美しい素材感となっています。また、生地にはワンウォッシュがかかっているので、洗濯後に極端に縮んだり、風合いが変わるという心配のなさそうです。
 

上品な印象を与えるやや大ぶりな襟。ゴールド系のステッチも良いアクセントになってます。
 
 
平置きや吊るしだとなかなか伝わりづらいところですが、まるで上質なテーラードジャケットを着ているように首に吸い付くようなフィット感を得ることができる立体的な襟の仕上がり。ここにもテーラードの技が見て取れます。
 

件の前振りの袖付け。ショルダーラインを中心に見て前身頃より後ろ身頃の方が生地の面積が大きく取られているのが分かりますね。
 

2ndタイプを象徴するディテールである両胸のポケット。一般的にはポケットのフラップにメタルボタンが付いていますが、このモデルではそこが省かれています。オリジナルのように前開きの横にまでメタルボタンが配されていると少し装飾過多かなと感じていたので、この極力無駄を削ぎ落としたミニマムなデザインを気に入っています。またポケットの位置もやや低めに設定されており、どこか落ち着いた雰囲気となっています。
 

一方でフロントのアクションプリーツとそれを長方形で縫い付けたステッチなんかはオリジナルの2ndタイプを忠実に再現しているようです。
 

デニムジャケットやジーンズに取り付けられるメタルボタンのデザインは個性の見せどころですが、潔よいまでにシンプルなシルバーのソリッドボタンが選ばれています。うん、こういうので良いんですよ。
 

袖口はこんな感じ。至って普通ではありますが閂で補強してるあたり細部まで抜かりなしです。
 

肩周りの稼働域を確保するために肩幅はやや広めに取られていて、背中の両サイドにはプリーツが付いています。
 

裾にはボタンタイプのサイドアジャスターが備え付けられています。まぁ、これは実質飾りですかね。
 
サイズ感とシルエット

身長173cm 体重65kg 標準体形の私が購入したのはMサイズ。肩幅と身幅がややゆったりめなのでSサイズでも良さそうな気もしましたが、コンセプトに沿って大人っぽく着こなすならこれが正解でしょう。
 
この手のデニムジャケットだと極端に着丈が短い(おおよそ60cm前後)が多いイメージですがこのモデルはMサイズで着丈は約64cmと少しだけ長めに設定されています。お尻の1/3ぐらいは隠れる程度の丈感です。着丈は短すぎるより、せめてこれぐらいの長さがあった方がバランスが良いですね。
 
ただ、代わりに袖丈も少し長めに設定されてようです。私の場合腕が長いみたいなのでちょうどいい感じなのですが、同じ身長でも標準的な方なら袖が少し余る可能性はあるかと思います。
 

先程の画像ではあえてホダンを全て留めていましたが、基本的にはこんな感じで前は開け着るイメージです。適度にゆとりがあって一切ストレスを感じないフィッティングでありながら、ルーズになることなくきれいなシルエットを実現するあたりジーニックの上手さを感じさせられますね。
 
コーディネート

デニムジャケット:Jeanik(ジーニック)
ニットポロ:BROOKS BROTHERS(ブルックスブラザーズ)
パンツ:五十嵐トラウザーズ
シューズ:JALAN SRIWIJAWA (ジャランスリワヤ)
 
先述した通り、カットソーやカジュアルパンツよりも、シャツやスラックスと合わせてドレスライクに着こなしたいデニムジャケットです。ここでは艶っぽいシルク混のニットポロをインナーに使い、色数控えめでシックに装ってみました。
 

デニムジャケット:Jeanik(ジーニック)
シャツ:Southwick(サウスウィック)
パンツ:BARNSTORMER(バーンストーマー)
シューズ:Berwick(バーウィック)
 
デニムジャケットとシャンブレーシャツとチノパン。まさに王道的なラギッドスタイルの組み合わせではあるものの、全然ギラギラしていないのは、それぞれのアイテムが持つ品の良さゆえでしょうか。勝手にそう解釈しています。
 
まとめ
初めてのデニムジャケットは新境地を開くことになりそうですが、私が理想とする上品というか大人っぽい雰囲気も損なわれていないのが良いんですよね。
 
私と同じように「Gジャンはちょっとなぁ・・・」って方にまず試してもらいたいですね。袖を通した瞬間にそれまでの偏見が覆りますよ。
 
ここ最近は事前に時間をかけて調べた上で指名買いすることが多いので、店頭で偶然一目ぼれなんて経験は久しぶりでした。こういうことがあるから定期的に実店舗を巡るのも大事なんだなと改めて思った次第です。やっぱりその雰囲気というのは実物を見ないと分からないし、当然着心地も試着してみないと分かりませんからね。
 
今回は以上です。

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